
遠州流茶道月刊茶道誌「遠州」3月号
2026年3月号
蕨 わらび
岩崎灌園『本草図譜』より
「わらび」は、日本全国に自生するシダ植物の一種で、
春に芽吹く若芽(新芽)を食用とする、春を代表する山菜のひとつです。
源氏物語に「早蕨の巻」として綴られているのをはじめ
万葉集にもその名があり、食用としてもかなり古い歴史をもっています。
表紙の中央の絵のように、こぶし型に巻いた新芽の状態が柔らかく、
食用として親しまれています。
独特のぬめりと風味があり、おひたしや和え物などの材料とされますが、
アク(毒性)が強いため、必ずアク抜きが必要です。
アクを十分抜いた「わらび」は、おひたしや和え物、煮物のほか、
おでんの材料や天ぷらなど、様々な料理の具材として重宝します。
また、わらびは地下茎を地中深く伸ばしますが、根には澱粉が多く含まれています。
その根から採れる澱粉が、わらび餅の原料となります。
茶道具の中では、桃山時代作の「黒織部蕨文茶碗」が知られています。
五本の蕨が上に向かうシンプルなデザインですが、力強い芽吹きを感じさせます。
釜の鐶付にも早蕨をモチーフとしたものがよく見受けられます。
また、その景色に蕨の姿を感じ取って「さわらび」と銘をつけられた魚斗屋茶碗が
東京国立博物館に所蔵されています。
近江小室藩主であった遠州流五世宗香政峯公が、源頼朝の歌集「金槐和歌集」の一首、
「さわらびのもえいづる春に成りぬれば
野邊の霞もたなびきにけり」
の歌より命銘したと伝えられています。
■宗家対談
歴史小説作家 伊東 潤さん
「歴史を、
人生やビジネスに
どう反映させるのか。」後編
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