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原三渓の美術/横浜美術館

7月13日から9月1日まで稀代の実業家「原三渓の美術~伝説の大コレクション」が横浜美術館で開催されます。それに先立ち記者発表が行われました。

岐阜県の名主青木家嫡男富太郎が横浜の生糸貿易の豪商「亀屋」原善三郎の孫女婿として原富太郎と名乗り、後に「原三渓」となる人間原三渓を「アーティスト」「コレクター」「茶人」「パトロン」という4つの業績に焦点をあてていきます。

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展示のはじめは原三渓が描いた《白蓮》。蓮は三渓がとくに好んだ題材です。茶人としての三渓は70回を超える茶会を開き、記録「一槌庵茶会記」からは伝統的な作法に拠らず仏教美術を取り入れるなど自由闊達な趣向で懐石や茶を楽しんだことがうかがえます。明治36年に井上馨から《孔雀明王像》を1万円という破格の値段で入手しコレクターとしての名を斯界に知らしめました。

茶人三渓の展示コーナー冒頭は、昭和12年に開かれた長男善一郎を追悼する茶会での取合せです。源実朝筆《日課観音》、《井戸茶碗 銘・君不知》が印象に残ります。

大正6年「桃山御殿」と称された臨春閣と蓮華院完成お披露目茶会には益田鈍翁、高橋箒庵、岩原謙庵、梅澤鶴叟などの数寄者が招かれています。 

所蔵名品選『三渓帖』は頒布出版目前に関東大震災において消失し現在は草稿が残るのみです。国宝6点重文25点以上を含む珠玉の美術品約150点。さらには同館内にある美術情報センターにて三渓自らの編著作物も特別展示されます。

三渓自身が願いつつもかなわなかった三渓のコレクションを集めた美術館という構想を実現したかたちの「原三渓の美術~伝説の大コレクション」。

三渓の作品として最大規模である三渓園とのタイアップ企画もあり、この夏は横浜美術館と三渓園を合わせてたずねてみたいものです。

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