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「茶の湯の名碗 高麗茶碗」 三井記念美術館

高麗茶碗の魅力 素朴さとのびやかさ

東京・日本橋の三井記念美術館で9月14日から12月1日まで「特別展 茶の湯の名碗 高麗茶碗展」が開催されます。それに先立ち記者発表が行われました。

「高麗茶碗は和物茶碗の上に位置づけられています。時代も長く16世紀前半から18世紀まであります。そこで今回はひとつは朝鮮でつくられ日本で見立てられたもの、日本がたずさわってつくられたものという初の区分で展示いたしました。」と三井記念美術館 参事 赤沼多佳氏。「今回の出品目録を見ていただくとわかりますが所蔵は美術館よりも個人蔵が多く、たくさんの皆様にご協力いただきました。」

高麗茶碗の見かた

●茶の湯が見立てた高麗茶碗 高麗茶碗は見立てられた茶碗と日本のために焼かれた茶碗に分けられます。見立てられた茶碗の多くは朝鮮時代16世紀に焼かれたものです。江戸時代以降、作行きによって細かく呼び分けられ世に知られる名碗が多く伝えられています●日本向けに焼かれた茶の湯の茶碗 高麗茶碗を賞翫する傾向は時代とともに高まりますが、さらに茶風の変化によって新規な高麗茶碗も求められ、17世紀にはかつてない作行きの茶碗が多く請来されます。御所丸茶碗や彫三島茶碗などに当時の好みが窺われます。●御本茶碗と半使茶碗 半使茶碗は朝鮮通信使に同道した通訳が日本の好む茶碗を津島藩に餅渡ったものです。また御本は対馬藩が贈答用に釜山の倭館内で焼いたやきものです。今日では両者の判別は難しいとされていますがいずれも時代を反映した軽妙な作行きです。三井記念美術館パンフレットより

小堀遠州と高麗茶碗(プラス松花堂昭乗)

●6 斗々屋茶碗 銘龍田/個人蔵/16世紀 蓋裏「龍田」の文字は松花堂昭乗筆と伝わる ●7 小井戸茶碗 銘小塩/個人蔵/16世紀 内箱蓋表に「井戸 小塩」蓋裏に「ふた葉より髪をそたのむをしお山 われもあひをひの松のゆくすゑ」の古歌を小堀遠州が記し外箱には松平不昧の極書 ●13 紅葉呉器茶碗 銘菊月/個人蔵/16世紀 内箱の書付「五器 菊月」は小堀遠州筆 ●14 御所丸茶碗 古田高麗/個人蔵/17世紀 御所丸茶碗のなかでも古作といわれ本歌とされている茶碗。内箱蓋表に小堀遠州筆で「古田高麗」とあり古田織部所持と伝えられる ●25 粉引茶碗 銘残雪/三井記念美術館蔵/16世紀 内箱蓋表に銀粉字形で「残雪」の文字あり古筆了仲が小堀大膳正之の筆と極めている ●59 玉子手茶碗 銘薄柿/藤田美術館/16世紀 内箱「高麗 薄柿」とある金粉字形は小堀遠州筆。遠州所持であった。 ●73 高麗茶碗 遠州高麗 銘一花/個人蔵/16世紀 内箱に金粉字形で「遠州高麗 茶碗」とあるが遠州が所持していた故かあるいは遠州時代の作か詳(つまび)らかではないが後の半使茶碗に通ずるところもある

多種多様な高麗茶碗の魅力あふれる展示となっています。全部で125点。日本橋散策も楽しい三井記念美術館さんに是非お出かけください 遠州流茶道 月刊茶道誌「遠州」10月号でもご紹介させていただきます。

対馬在住の「高麗」をテーマに作陶を続ける武末日臣展を「高麗の美 武末日臣展」と題し大有ギャラリーきほう/ギャラリーきほうオンラインショップにて15日より開催いたします。高麗茶碗の魅力を手にするまたとない機会となっております。

▼ギャラリーきほうオンラインショップ
「高麗の美 武末日臣展」はコチラ