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不傳庵日記「連休」小堀宗実

 令和の御代となり、御即位の関係行事が厳粛に行われた。私たち国民にとって令和元年5月1日を、晴々しい心持ちに受けとめられたことは、本年一番の慶びであった。4月30日の深夜には、カウントダウンもあったようで、それはいささか違和感のあることではあったが、現代社会における、節目を数えるひとつの方法となっているのだろうと感じることもできなくはない。
 このめでたさを享受すると同時に、おごそかな心を以て日本の国を見つめ直す機ととらえるのも大切なことであろう。天皇制に基づく皇室典範のことや、憲法のこと、さまざまなことを今回改めて知った人も多いのではないだろうか。そういう問題についても考えてみるのは、日本国民としての大切な姿勢である。
 さて5月のゴールデンウィークはいかがお過ごしであっただろうか。本年は特別の年とはいえ、10連休はいささか長く感じた。私の方はほぼ10分の7は仕事となってしまったが、さすがに世の中の連休気分に後ろ髪を引かれる心地も一日のうちに何回かは感じていた。とはいっても、連日のニュース等で、大渋滞や大混雑の列車や飛行機などで家族サービスやレジャー、バカンスに出かける人々の姿を見るにつけ、それをしなくてもよいという、消極的満足感を得たのも事実である。毎年のことではあるが、大型連休を迎えるたびに思うのは、いったい食事はどうするかということである。たまの休みに、美味しい食事を外でというのは良しとしても、毎日とはいかない。実際にレストランなども、ゴールデンウィーク中に休業する店も多かった。そうなるとホテルのなかにあるレストランということになるのだが、これはもう予約が一杯で無理である。結局、家で食事をとらざるを得ないのであるが、私くらいの年代になると、それは家内に頼むことになってしまう。食事を作るという負担は、実際にする身になれば大変なことである。私もかつて桂徳院修行時代は、朝・昼・晩と三食作っていたのであるが、それはもちろん精進料理で、品数も一品程度である。それすら今はすることもないので、要するにできないという結果になる。したがって私たちが休むということにはさまざまな問題が出てくるというわけで、この10連休は本当にいろいろと考えさせられた。最後に、私の3日間は朝から晩まで好きな映画を15本程度見て過ごした。