職方訪問／藤森工務店　宇佐見忠一氏　

シリーズ「職方訪問」　

今回は数寄屋建築で知られる藤森工務店を率い、遠州流職方　向栄会会長でもある宇佐見忠一氏です。古美術商　池内宗雪氏のお宅にてお話を伺いました。

取材に伺った当日は5月の新緑がまぶしく池内邸の庭の緑と空のコントラストが映え、吉田五十八設計の数寄屋建築と相まって東京の郊外にいることをふと忘れてしまうような感覚に。

池内氏は本誌「数寄記録」座談でもご登場いただいてる日本でも有数の美術商（池内美術主人）で数寄屋建築にも明るい。その池内氏をして「すっかり気に入った」のが吉田五十八（いそや）設計の東京・渋谷にあった建物で、譲り受け移築をしたという。その時に相談したのが藤森工務店の宇佐見氏でした。「めったにない仕事だった」と宇佐見氏は当時を振り返ります。

9月号後編では茶室の細部をご紹介いたします。