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水屋特集

水屋[みずや]の心得

 水屋とは茶室に隣接する付属設備で、茶席で用いる道具はすべてここで用意されます。水屋は常に、道具を定まった位置に置いておくことが肝要であり、整理整頓しておくことが大切です。
 茶事や茶会の進行に合わせ、炭取[すみとり]には炭を組み、灰器[はいき]には灰を入れ、茶入・茶器には茶を張り、水屋かめには常に水を充分に入れ、控えの炭取にも炭を用意しておきます。
 特に茶事(炉)では、炭点前・会席・濃茶・薄茶と続きますので各々の道具はまとめて、それぞれ便利な所に置いておき、手順よく運ぶように工夫します。
 茶室の水屋では、道具をすぐ使える状態にして配して、定まった位置に置くことによって、動作に無駄がなくすみやかに運ぶことができます。
 通常の稽古の時には、各種の点前ができるように準備しておきましょう。

水屋の名称と道具の配置

 今回は普段のお稽古に必要な道具を一通り配置しました。上方の袋戸には、硯屏[けんびょう]、炭道具(炭取・灰器・湯桶[ゆとう]・灰匙[はいさじ]・火箸・羽箒[はぼうき]・釜敷紙[かましきかみ]・練香など)を置きます。右柱上方の落掛釘[おちかけくぎ]には掛花入を掛けます。

 釣棚上段には、抹茶(濃茶・薄茶)と茶掃箱[ちゃはきばこ]。下段には、花鋏と芽つみ鋏、花水注 。
 それぞれの棚には、水シミなどの汚れを防ぐために、写真のように布巾を敷くと良いでしょう。


遠州流の抹茶
遠州流の抹茶
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上段の通し棚には、左から木地銘々皿・黒文字(手前)、干菓子器(奥)、右隣に茶器(棗・中次など)、二種目用茶入(耳付・瓢箪など)、肩衝茶入、 茶杓、 文琳茶入(方盆・丸盆)を置きます。

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続いて、左から天目茶碗・天目台・牙茶杓、袋茶碗、長緒稽古用板、茶通箱[さつうばこ]。

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 下段の通し棚には、左から仕込み茶碗(手前)、祥瑞[しょんずい]湯呑(水屋番:奥)、蓋置(陶器・竹引切・唐銅)、重ね茶碗、濃茶各服茶碗。
 水屋には昔から、「水屋番」と称して、祥端の湯呑みを備えておくことになっています。これはお客様から水の所望[しょもう]があった時に出す為です。祥端に限りませんが、ガラスのコップではふさわしくないので、染付類が良いでしょう。

続いて、左から薄茶碗、濃茶碗、茶筅(濃茶・薄茶・茶筅直し)、釜蓋。茶筅の使用後はお湯で良く濯ぎ、付着した抹茶を綺麗に取ります。汚れが強い場合は柔らかいブラシなどで優しく掃除します。汚れを落としたら軽く形を整え、茶筅直しに挿して、風通しの良い場所で陰干しします。

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簀子[すのこ]には濡れ物を置き、奥から水屋瓶[みずやかめ]、水次。腰板の竹釘には、左から水屋柄杓、濃茶筅が掛かり、左柱の竹釘には、手拭きが掛かります。

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続いて、 簀子[すのこ]には、左から水指、茶巾たらい、釜・釜据[かますえ]を置きます。

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 さらに、木地曲[きじまげ](濃茶用建水:奥)、薄茶用建水(手前)、火起しと台十能、炭取セット(炭・火箸・釜鐶・板釜敷)、練香。腰板の竹釘には、左から薄茶筅、天目[てんもく]茶筅、釜底洗い、柄杓が掛かり、右柱の竹釘には建水用タオルが掛かります。

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 水指、水次、建水などは、濯いで水を入れるなどして準備ができたら、簀子の上から外に出して、タオルや手拭などの上に移動して布を掛けます。

消耗品の交換目安

 茶筅は穂先が折れ始めたら交換し、柄杓は水やお湯を汲んだ際に、漏れるようであれば交換します。何れも清潔感を感じさせる白竹を使用しており、くすんできたら交換することをおすすめします。茶巾は、かがりがほつれたり、コシやハリがなくなってきたら交換します。茶巾も清潔感が必要なため、汚れたり黄ばんできたら交換をおすすめします。


    定
一、よく和し よく敬し よく清く よく寂かなる事
一、知音の心不忘(わすれず)の事
一、動静のいづれの時も自然の姿不忘の事
一、清潔整頓を常の心の事
一、刻限かたく守るべき事
一、湯水の訓守るべき事
一、稽古の心を以て平常心養うべき事
右条と茶道修業は申すに不及(及ばず)
日常の心懸として慎しみて荒怠するなかれ
               (遠州茶道宗家向栄亭水屋にかかる定文)

 現代の暮らしには、茶室に付随する正式な水屋が無いことが多いので、基本的な水屋の作りや使い勝手を理解し、 創意工夫してご自宅のキッチンやリビングの片隅に茶道具を配置するスペース(水屋)を作り、お茶を楽しんでみてはいかがでしょうか。

水屋の準備は整いました。さあ、はじめましょう!

「お茶を一服差し上げます」